おどりとわたし 2(ずぶの学校新聞6月号所収)

 こんな話をきいたことがある。日本の街角で「踊ってみてください」とカメラを向けると、戸惑ってほとんどの人

 

が踊らないそうだ。しかし、「カラオケを歌ってください」と言うと、みんな意気揚々として歌うらしい。世界(とい

 

っても全世界で調べたかは不明であるが)では逆。よく洋画とかでもパーティで踊ったりしているけれど、日本

 

ではほぼ見かけない。

 

 

 かといって、日本人が全く踊らないかというと話は別で、お稽古ごととしてのバレエやヒップホップを習う人

 

口は多い。又、一時期AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」が地方自治体や学校、企業、果てはロックミ

 

ュージシャンが踊ってみて、動画を公開するという流れが大流行りした。最近はブームが落ち着いたが、動

 

画では踊りなんてしたことがなさそうな人々が沢山楽しそうに…まあ上司に言われたり仕方なしに参加した人

 

も多いだろうがおおむね楽しそうに踊っている。再生数は伸びに伸びて100万回を超える動画も。そしてこの

 

行為は人と人をつなぐツールとして有効視されている。

 

 

 「恋する」の動画が爆発的に多くなった理由の一つとしてはかなりシンプルな振付と使用料金が一切か

 

からないことだと思うが、なんだか皆が揃って同じようなフリをするのがどうにも日本人らしさを象徴していて苦

 

手だ。大多数で、皆がよく知っているメロディで、決められた同じフリを…。皆がするから怖くない、恥ずかしく

 

ない。という考えが透けて見える。わー苦手だ!!なんだかこの踊りに参加することがあたかも素晴らしく楽し

 

い事のように笑顔で踊らされてしまう事も辛い。

 

 

 アイドルの曲なんだから仏頂面で踊るわけにもいかないんだろうが、それでも私がもし「恋する」を踊る事

 

になったら、仏頂面で、でたらめなリズムで踊らせて頂きたいなと思う。それが私にとっての「おどり」だから。