ずぶの学校新聞 no.7(2015.11月 霜月)

      











~ずぶ、記者になる 半信半疑で右往左往~

 

 10月より、ずぶことあかまつは念願の地域情報誌の記者に就任しました。新しいお仕事はまだ始めたばかりで、どうなるのかわかりませんが、それがまた楽しみでもあります。11月号からは題材探しも自分で担当しています。どんなすてきなひとに出会い、自分が変わっていくのでしょうか。見ものです。少しでも多くの人が、私とともに何かを感じ、考えらえるような文章を書いていきたいと思っています。


こくご教室を開いて半年、いろいろなことに気が付きました。学校の外でひととゆっくりお話する機会が増え、こどもやおとなを取り巻く「環境」にも目が向くようになってきました。志望校合格、就職内定のその先で、ひとりひとりの人間がどういうふうに個人や集団と関わり、何を考え、選び、行動し、生きていくのか、「社会」や「人生」の中での学校の在り方、空間的、時間的な学校の意義について、興味があります。


卒業して10年、20年……と時を経るにつれて、学校の記憶は遠のいていきます。結局、それほどだいそれた意味もないのだろうと軽く安心もし、失望もする一方、何年たっても思い出せる(思い出してしまう)情景やことば、人間があることも事実ではないかと期待もし、緊張もします。


 教室を見渡しながら、目の前で今、笑っているひとたちがいずれこの異質な空間を忘れて、ひとりで外に飛び出して行ったとき、何を頼りに生きていくのだろうかと不安になります。旅立ちのとき、持ち物はどのくらい調っているのでしょうか。家族、ともだち、先生、ことば、お話、経験、知識、技術、体力、センス、ガッツ、人間らしい心……その荷造りをどの程度お手伝いできているのか、非常に心もとない。けれども半信半疑ながらもとりあえず工夫や実験をし続けていきたい。その意志が私自身のよりどころなんです。学校は、本当は、こどもとともに遊び、考えることができる寛容な場所、生きた空間であってほしいと切に願っています。


めげるな、自分……。

 

                    ぶん・え あかまつ みさき

(創作の秋、アールブリュット生活中のこくご教師。宙に浮きつつ。)