おどりとわたし7(ずぶの学校新聞4月号所収)

 

 よく「誰かわからなかった」とか「イメージが変わりましたね」と言われる。

 

顔の特徴があまりない顔をしているからかな?とか髪型が変わったからかな?と思っていた。知り合いに会っても自分から声をかけないと気づいてもらえなかったりする。寂しい。似顔絵も描きにくいと言われて、事実私の似顔絵はどれもあまり似ていない。

私に似ている人も数多く存在するらしく、「知り合いに似ていてね」とか「××さんに似ていますね」とかよく言われるのだけどどなたも対面したり写真みてもそこまで似ている訳じゃなく、反応に困ったりする。生身のものではないけれど、今まで似ていると言われて同意したのは横顔がスプーンの裏側みたいだねって言うのと不機嫌そうな顔がそっくりだといわれた奈良美智の描く女の子。あと最近はカワウソに似ているといわれてものすごく納得した。

 

たまに自分でも自分の顔がわからなくなるときがある。変なことを言っているようだが、本当に毎日顔が違うのだ。朝起きたときの顔が特にそうで、たまに「この顔は本当にわたしなのか?」と不安になるときがある。寝ている間に首をすげ替えられても、もしかしたら「あ、今日はまただいぶ顔が変わったな」なんて思ってそのまま過ごしてしまうかもしれない。

舞台にたつと「なんか印象が違ってたから10分くらい出ている事に気づかなかった」とか顔だけでなく「舞台ではもっと大きい人に見えた」とか「細くなりましたね?!」とかもよく言われる。身長も体重も変化がほぼないはずなのでおかしな話だ。

 

しかし何にでもなれるんだと思えば愉快だなと思った。ダンスでは特に何かの役柄を演じる事はないが、踊るものによって印象が変わったら嬉しいし、毎日違う顔の私に会うのもまあ嫌いではないのだ。明日はまた違う顔の私と出会える。